購入した洗濯機に乾燥機が搭載されているのにもかかわらず、衣類が十分に乾かないという経験はないでしょうか?
「乾燥機にかけ、あとは洗濯物をたたむだけ」と思っている時に、乾いていない衣類がいくつもあると、大きなストレスを受けることでしょう。
そこでこの記事では、乾燥機付き洗濯機で乾燥させても完全に乾かない理由や、乾燥機を使っても洗濯物が乾かない時の対処法について詳しく解説していきます。
衣類の乾燥について悩んでいる方は、是非本記事を参考にしてください。
洗濯機の乾燥機で衣類が乾かない9つの原因
乾燥機付き洗濯機の乾燥機能を使っても衣類が乾かない理由は、主に以下の9つです。
- ● 一度に洗濯・乾燥する衣類が多すぎる
- ● 乾きにくい衣類が多く含まれている
- ● 乾燥の途中で乾き具合を確認している
- ● 乾燥機のフィルターが詰まっている
- ● 吸気口や排気口が詰まっている
- ● 糸くずフィルターが詰まっている
- ● 周囲の温度が低すぎる
- ● 周囲の湿度が高すぎる
- ● 乾燥機付き洗濯機の故障
一度に洗濯・乾燥する衣類が多すぎる
洗濯機の乾燥機が期待通りに機能せず、衣類が乾かないという時の原因として最も多いのが、「一度に洗濯や乾燥をしようとする衣類の量が多すぎる」というものです。
乾燥機は、衣類間の空気の流れを利用して乾燥させるため、衣類が多すぎると空気の流れが妨げられ、乾燥に時間がかかりやすくなってしまいます。
それぞれの洗濯機には、最適な衣類の量が指定されており、この量を超えた衣類を詰め込んでしまうと乾燥機の性能が十分に発揮されず、乾燥が不十分になってしまうのです。
また、洗濯機の寿命を縮める原因にも繋がりますので注意すべきです。
乾きにくい衣類が多く含まれている
Tシャツや下着類といった乾きやすい衣類ならば、ある程度多めに乾燥機へかけても問題ないかもしれません。
しかし、デニムやセーターといった厚手の乾きにくい衣類が多く含まれている場合、どうしても乾燥しにくくなってしまいます。
乾燥機にかける際は、衣類の乾きやすさも考慮する必要があります。
乾燥の途中で乾き具合を確認している
乾燥機が動いている最中に、「どの程度乾いたかな?」と確認したくなり、途中で乾燥をストップしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お気持ちはよくわかりますが、「途中で乾燥を止めてしまう」という作業が、しっかり乾かないという状況を作っていることも珍しくありません。
あらかじめ設定されている時間が経過する前に乾燥機のドアを開けてしまうと、そこで熱が逃げてしまい、衣類を乾燥させるためのプロセスが適切に行われなくなってしまいます。
いくら乾き具合が気になるからといって、乾燥作業を一旦中断してしまうことには悪影響しかありません。
乾燥機のフィルターが詰まっている
乾燥機にかけても衣類が乾かない原因としては、「乾燥機のフィルターが詰まっている」という可能性も挙げられます。
日常的に乾燥機を使うことによって、フィルターにはホコリなどの汚れが溜まっていくため、定期的に掃除をしていない場合には徐々に目詰まりしていき、通気性が悪くなってしまいます。
その結果、空気の流れが妨げられ、適切な乾燥ができなくなってしまうわけです。
特に、頻繁に乾燥機を使用したり、大量の洗濯物を乾燥させる機会が多かったりする場合は、衣類から出るホコリや繊維がフィルターに溜まりやすくなるので要注意です。
吸気口や排気口が詰まっている
洗濯機の吸気口や排気口が詰まっている場合も、衣類が乾きにくくなってしまう原因の一つです。
ヒートポンプ式のドラム型洗濯機の場合、基本的に吸気口や排気口が天面に配置されているため、これらが塞がれてしまうようなことをしてしまうと十分な乾燥が期待できなくなってしまいます。
よくやりがちなのが、洗濯機の上に物を置いて吸気口や排気口を塞いでしまう、というミスです。
これにより、乾燥機内部の空気の循環が妨げられ、結果として衣類の乾燥が十分に進行しない状態になってしまうのです。
物が置かれているだけでなく、長年の使用によってホコリや細かなゴミ、ペットの毛などが蓄積し、詰まってしまうこともあります。
糸くずフィルターが詰まっている
糸くずフィルターとは、「ゴミ取りネット」とも呼ばれるもので、洗濯中に出たホコリや糸くずなどの小さなゴミを回収し、洗濯槽内を清潔な状態に保つ役割を果たします。
しかし、糸くずフィルターにゴミが溜まっていると、乾燥の際にムラが発生してしまう可能性が出てきます。
糸くずフィルターが詰まることで、乾燥機内の気流が阻害されたり排水に悪影響が出たりして、衣類がうまく乾かなくなるからです。
綿やリネンのような素材からは、特に多くの糸くずが発生するので、こういった衣類を洗濯した後は糸くずフィルターにゴミが溜まりやすくなるので気をつけましょう。
周囲の温度が低すぎる
ヒートポンプ式の乾燥機能が搭載された洗濯機の場合、「外から取り込んだ空気を温めてから熱風を洗濯物に当てる」という形になっています。
したがって、取り込む空気の温度が低すぎると、十分に温めきれないまま乾燥を行うことになるので、どうしても乾きにくくなってしまいます。
特に、冬季における東北・北海道といった地域の場合、洗濯機が置かれている環境によっては乾燥機の性能が著しく下がってしまうことも否定できません。
周囲の湿度が高すぎる
ヒートポンプ式の場合、「乾きやすさ」に関しては、温度だけでなく湿度も重要になってきます。
湿度が高いと、乾燥機が衣類から水分を効果的に除去するのが困難になるからです。
「乾燥させる」という作業と「湿度」は相反する存在であるため、乾燥機を正常に動作させることに対して悪い影響が出やすくなってしまいます。
本体の故障
これまで紹介してきたような原因が一切当てはまらないのに、それでも衣類がしっかり乾かないという場合は、乾燥機付き洗濯機自体が故障している可能性があります。
工業製品の場合、どうしても以下のようなケースが発生する可能性を否定できません。
- ● 初期不良
- ● 使い方の問題による故障
- ● 経年劣化による性能低下
機械として故障したり劣化したりしている場合は、どんな対策をしてもあまり意味はありませんので、修理依頼や買い替えといった選択肢を検討する必要が出てくるでしょう。
乾燥機で衣類が乾かない時の効果的な対処法
乾燥機を使っても洗濯物が乾かない場合、以下の対処法を試すようにしてください。
- ● 衣類の量を減らす
- ● 乾燥が終わったらすぐに取り出す
- ● 脱水時間を長めにする
- ● 乾燥フィルターや糸くずフィルターをこまめに掃除する
- ● 温度や湿度を調整する
- ● 乾燥機付き洗濯機の上に物を置かない
- ● 蛇口を開けておく
- ● 洗濯ネットから出して乾燥機にかける
- ● ドライヤーボールを使う
- ● メーカーに問い合わせる
衣類の量を減らす
単純にして一番効果が見込める対処法が、「一度に乾燥させる衣類の量を減らす」という方法です。
乾燥させる衣類の量が減ることで、通気性が良くなったり熱が伝わりやすくなったりするからです。
どんな乾燥機でも、無制限に衣類を乾燥させられるわけではありません。
いきなり大量の洗濯物を乾かそうとするのではなく、少量ずつ試していき、「どれぐらいの量ならきちんと乾くのか」を確かめていきましょう。
そうすることで、「ドラム内の半分くらいならば完全に乾燥させられる」というように、適量がわかるはずです。
なお、乾燥させる衣服の種類によって乾燥具合が変化するため、「アウターやセーターなどの厚手の衣類は別にする」という工夫も必要になります。
洗濯物の中に生乾きの衣類があると、本来ならば乾いていたはずの服や下着に湿気が移ってしまいます。
洗濯物を「厚手」と「薄手」に分けて乾燥させることで、各衣類が必要とする乾燥時間に合わせることが可能になり、すべての衣類を適切に乾かしやすくなるでしょう。
乾燥が終わったらすぐに取り出す
これも基本中の基本といった対処法ですが、乾燥が終わったら、そのまま放置せずできるだけ早く乾燥機から取り出すようにしましょう。
乾燥機は高温で衣類を乾燥させるため、乾燥終了後も内部は温かい状態が続きます。
しかしその温かさが仇となり、衣類にほんの少量残っている湿気が、密閉された乾燥機内に充満し、最終的に衣類に戻ってしまうのです。
したがって、乾燥終了後はできるだけ早く洗濯物を取り出し、通気性のよい場所に移動させる必要があります。
乾燥機を使った後の長時間放置は、洗濯槽内のカビ発生にも繋がってしまうので、気を付けるようにしてください。
脱水時間を長めにする
脱水時間が不十分なケースも考えられるため、脱水時間を長めに設定するという方法も有効です。
脱水時間が短いと衣類に多くの水分が残ってしまい、自動設定の乾燥時間内に衣類を完全に乾かすことができないことも珍しくありません。
脱水によって衣類からしっかりと水分を飛ばしておけば、当然乾燥させやすくなります。
ほとんどの場合、洗濯機の設定メニューから脱水時間を調整することが可能です。
洗濯物が完全に乾かないようならば、自動で設定されている時間ではなく、手動で脱水時間を長めに設定してみましょう。
乾燥フィルターや糸くずフィルターをこまめに掃除する
乾燥フィルターや糸くずフィルターが詰まっていると、洗濯槽内の空気の流れが悪くなったり、排水に悪影響が出たりしてしまうことで、本来の乾燥機能を発揮できなくなってしまいます。
「フィルター程度でそこまで大きな影響は出ないだろう」と考えていらっしゃる方もいるかもしれませんが、そんなことはありませんので、軽く考えずきちんと掃除するようにしましょう。
フィルター掃除について覚えておくべきなのが、「衣類が乾きにくい」と感じた時だけでなく、定期的に行うべき、という点です。
乾燥フィルターならば毎回の使用後、糸くずフィルターは1週間に1度程度の頻度で掃除すべきです。
これにより、乾燥機の性能を最大限に引き出すことができるでしょう。
なお、掃除の際はフィルターを傷つけないよう注意してください。
乾燥フィルターは、柔らかいブラシや掃除機を使ってゴミを除去し、糸くずフィルターは水洗いを行いましょう。 日々のメンテナンスは非常に面倒ではありますが、こうした努力を怠らないことによって、乾燥性能を高められるだけでなく、乾燥機付き洗濯機自体の寿命を延ばすこともできます。
温度や湿度を調整する
乾燥機付き洗濯機を置いてある場所の温度や湿度を調整する、という方法も、是非試してください。
ヒートポンプ式の場合は、周囲の温度が低いと乾燥させるための熱を十分に作り出せず、乾燥効率や性能が下がってしまいます。
コンクリート打ちっぱなしのガレージのような屋外に洗濯機を置いている場合など、地域や季節によってはかなり冷えるので注意すべきでしょう。
また、周囲の湿度が高すぎるのも問題で、除湿能力の低下を招いてしまいます。
乾燥能力を最大限引き出すためには、温度や湿度を適切な状態にする必要がありますので、以下のような対処法を実践してください。
- ● 屋外に洗濯機を設置しない
- ● 暖房器具を使って室内の温度を上げる
- ● 「窓を開ける」「換気扇を回す」など十分な換気を行う
- ● 除湿器を置く
特に湿度の高さは、乾燥機の性能を落とすだけでなく、壁や床などの結露を誘発するので要注意です。
乾燥機付き洗濯機の上に物を置かない
「乾燥機付き洗濯機の上に物を置いてしまう」というのは、乾燥機の性能を下げてしまうやりがちなミスです。
乾燥機の能力に大きく関わる「通気性」を悪くしてしまうため、単純に乾燥効率が落ちてしまうのです。
また、乾燥機は高温になるため、洗濯機の上に置いた物が熱を吸収してしまうことも、乾燥性能を下げる一つの要因です。
洗濯や乾燥の際には、洗濯機の上には何も置かないようにしましょう。
蛇口を開けておく
「蛇口を開けておくこと」と「衣類を乾燥させること」には、一見なんの関連性もないように思えるかもしれません。
しかし機種によっては、洗濯物から出る湿気を水道水で冷やすことによって湿気を水分に変え、排出している場合もあります。
「乾燥の段階に入ったから、蛇口は閉めておこう」という方もいらっしゃるかもしれませんが、それをしてしまうと、余計な湿気が残ったままになってしまう可能性があります。
結果的に、生乾きの状態で乾燥が終わってしまうリスクが高まりますので、乾燥の際にも必ず蛇口は開栓しておくようにしてください。
洗濯ネットから出して乾燥機にかける
洗濯ネットは、洗濯時こそ衣類を保護してくれる役割を果たしますが、乾燥の際はむしろ妨げになってしまいます。
洗濯物をネットに入れたまま乾燥にかけると、洗濯物が密集することで乾燥させるための熱風が全体に当たりにくくなってしまうからです。
ひと手間かかってしまうものの、洗濯が終わって乾燥に移る際には、洗濯ネットから衣類を取り出してから乾燥機にかけるようにしましょう。
ドライヤーボールを使う
ドライヤーボールとは、洗濯物の乾きを促進してくれる道具のことです。
- ● 洗濯物から出る水分をボールが吸収する
- ● 洗濯物と一緒にボールが回転することで洗濯物の間に空気の流れを作り出す
上記のような効果により、全体的に均一に乾燥させることができ、乾燥時間も短縮することが可能です。
ドライヤーボールの使用方法は簡単で、洗濯物と一緒に乾燥機に入れて乾燥させるだけです。
1,000円~2,000円ほどの価格なので、洗濯物の生乾きに悩んでいる場合は是非一度試してみてはいかがでしょうか。
メーカーに問い合わせる
ここまで紹介した対処法をすべて実践しても効果がない場合、乾燥機付き洗濯機自体が故障しているという可能性もあります。
本体の故障が原因で乾燥性能が低下しているのならば、何をやってもあまり効果はないため、メーカーに問い合わせるしかありません。
大手メーカーの場合、カスタマーサポート用の電話番号や問い合わせフォームを用意しているので、洗濯機のモデルや製造年を明記した上で困っている症状について問い合わせてみてください。
なお、問い合わせの際には以下のようなこともしっかり伝えることで、スムーズなやりとりができることでしょう。
- ● 保証書の有無
- ● これまで試した対処法
- ● 普段のメンテナンス頻度
どうしても解決しない時は「業務用乾燥機」がおすすめ
衣類やタオル類などを完全に乾かそうとする場合、家庭用の乾燥機付き洗濯機ではどうしても限界があります。
- ● 一度に大量の衣類を乾燥させる必要がある
- ● 乾きにくいものが多い
- ● 一日に何度も乾燥機を利用しなければならない
このようなケースならば、家庭用の乾燥機ではなく、「業務用乾燥機」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
業務用乾燥機は、その名の通り「プロの洗濯店」や「大規模な施設」などで使用される強力な乾燥機能を備えた機械であり、大量の衣類を一度にしっかりと乾かすことができます。
業務用であるため、機械としての耐久性も高く、長時間連続で使用しても問題ないように設計・製造されている点も魅力です。
その分、家庭用の製品と比べると金額的に高くなるという点はデメリットかもしれませんが、そのデメリットを大きく上回るほどの乾燥力と信頼性があるため、「どうしても家庭用の乾燥機では衣類が乾かない」という問題に悩まされているのならば、業務用乾燥機の購入という方法は大変おすすめです。
また、業務用乾燥機は「洗濯物が乾かない」という問題を解決するだけでなく、大量の衣類を一度に処理できるため、時間の節約にも繋がります。
梅雨のような洗濯物を乾かすことに悩む時期でも、何ら気にする必要がなくなります。
大規模施設の業務用乾燥機をお探しの場合
- ● 病院
- ● 学校
- ● ホテル
- ● 食品工場
- ● 公共施設
- ● ゴルフ場やスキー場などのスポーツ施設など
上記のような、日々多くの衣類やタオル類を洗濯して乾燥させなければならない施設の場合、特に強力な業務用乾燥機が必要となるでしょう。
「もっと短時間で衣類やタオル類を乾燥させることができれば助かるのに・・・」
このように悩んでいる施設オーナーや従事者の方も多いかと思われますが、そのような場合には弊社の業務用乾燥機が大変おすすめです。
ワコーシステムコントロールで製造している業務用乾燥機には、主に以下のような特徴があります。
- ● 乾燥時間が短い(約30分)
- ● 取り扱いが簡単(スイッチ1つで自動制御)
- ● 衣類に優しい温風式ヒーター
- ● 高い安全性(電気用品:PSE取得)
- ● 新型コロナウイルス不活化が期待できるオゾンや紫外線殺菌も可能(※)
※藤田医科大学の村田貴之教授(ウイルス・寄生虫学)は、手指消毒等に安全に使用できる低濃度のオゾン水による新型コロナウイルスの不活化を確認。(参考リンク:https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv0000007fdg.html)
一般的な乾燥機なら数時間かかる乾燥作業でも、ワコーシステムコントロールの業務用乾燥機ならば約30分で完了するため、お昼休みのような業務の合間に乾燥を終わらせることも可能です。
まとめ
以上、洗濯機の乾燥機能を使ってもしっかり乾かない理由や、その対処法について詳しく解説してきました。
せっかく乾燥機付きの洗濯物を購入したのに、乾燥機を使うたびに生乾きの状態では、大変なストレスとなることでしょう。
しかし、家庭用の乾燥機ではどうしても限界があるため、多くを望むことはできません。
したがって、まずは本記事で紹介した対処法を一つずつ実践していただき、それでも乾燥に関して納得がいかなければ、業務用の乾燥機も検討する、という形で考えてみてはいかがでしょうか。
業務用乾燥機は、初期投資こそかかるものの、パフォーマンスや耐久性など長期的な視点に立てば、結果的にコスパがよくなる可能性も高いです。